3月の新作総まとめ その2
「noise myself」冷牟田敬 9.2/10.0
元昆虫キッズ、現Paradise、豊田道倫mtvBANDの王子こと冷牟田敬のソロアルバム。
素晴らしい作品だと思います。内容はタイトルの通りでノイズと自身との対話、戯れ。バンド活動ではできない、一人のギタリスト、音楽家としての矜持が自信満々に示されています。昆虫での鈴の音を鳴らすようなアルペジオからパラダイスでの奥行きのあるディストーションまで狂気の片鱗は既に浮き出ててはいたのですがが遂に爆発した感がある。甘美なノイズなシューゲイザーというよりはエメラルズのマーク・マグワイアやマニュアル、ウルリッヒ・シュナウスなどの北欧のラップトップシューゲイザーとリンクするところもあります。
周辺のバンドが「下北沢インディー」「ココ吉系」など安易に括られやすいジャンルではあるのですが、冷牟田氏の音楽だけは超然としていてアホなカテゴライズを許さない凄味があります。
Double dream is breaking up the door.
- アーティスト: Paradise
- 出版社/メーカー: MY BEST! RECORDS
- 発売日: 2014/03/18
- メディア: CD
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「Double Dream is Breaking Up The Door」Paradise 8.3/10.0
ベースの瀬尾マリナ嬢が脱退し、今まで以上にボロッボロのコンディションに陥ったパラダイスがまさかの新作!内容もこれまたボロッボロで前作では比較的聴きとるの簡単だったボーカルがほとんどテキトーに!呼詩はともかく、他の二人までテキトーに歌ってやんの!そんな中で自身らのバンド名である「Paradise」と命名された超キラーチューンを出してくるあたり油断がならない。
んで、新作リリースしたのは良いものの、早速、ドラムの関口萌が脱退!ボロ布一枚の状態になってしまったパラダイスの今後の動向が楽しみです!
「See you,Blue」さらうんど 4.8/10.0
鴨田潤のリリックってイルリメ時代は凄く辛辣でその説教臭さが持ち味の一だったわけですが、シンセサイザーを主体としたシティポップであるさらうんどに於いてはそういう要素は不要と考えたのかイマイチ言葉に重みがない。
ちょっと出涸らしの感が強くなってきたので、表っ面だけ綺麗なポップス路線は止めてもう一度ラップをしてみては?と思いました。
「Messier Oblects」Notwist 5.0/10.0
歌なしのサントラです。ファンなら買い。
「Sauna」Mount Eerie 9.0/10.0
ドローン、ノイズの上を伝うはLAKEのアシュレイ嬢の煌びやかなボーカル。そびえ立つ山々と朝焼け、ニュー・デイ・ライジングを予感させる壮大なスケールの作品です。
近年フェスバブルに対し、「ゴミが多い」「純度が低い」と苦言を呈しているだけあり、この荘厳なサウンドスケープは納得です。
もはや、「インディーロック」が「インディー」ではなくなって久しいですが、栄誉ある孤立を選択したマウント・イアリの姿は誰よりも本来の意味でインディーロック的だ。
「Strangers to Ourselves」Modest Mouse 3.0/10.0
前作が凄く好きなんですよ。「Missed The Boat」や「Little Motel」みたいなバンジョーやマンドリンを使用したまったり目のミドルチューンが特に気にいってます。狂気のボーカルナンバーや長尺のノイズ、キレの良いポストパンク等、色々と楽しめて凄く良い作品です。
月日は流れ8年、モデストマウスが微妙になって帰ってきた。2曲目が「Float On」的な役割なのは分かりますが他の曲がなんともビミョー。ギター重ね過ぎだしチャカチャカしてやかましい、アイザックのボーカルもなんかパワーが足りない。8年も待たせておいてこれはないわなー