2018年良かった本選手権
前回が同人誌だったので一般書籍もやります。
おとこの口紅 常山プロダクション
クイーンの映画が話題になってるようですね。優れたミュージシャンでホモセクシャルやバイセクシャルの人って非常に多いんですが、堂々と公言してる人は少ない。まあ、当たり前ですが。人権とかナンタラコレクト的な横文字を抜きにしても抱えてる闇の大きさと音楽の放つ輝きは正比例するもんだと思うので、ミュージシャンは暗黒の淵で生きてもらいたい。俺としては。
「おとこの口紅」は持たざるホモセクシャルの話だ。深刻な悩みを抱えながら苦悩するおとこ達の姿はフォークであるがハードコアでもある。水は下へ流れる、其処は底の底。クイーンの映画を観るなら、これを読んで欲しい。
本はまんだらけで買えるよ!
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日本現代怪異事典 朝里樹
赤マントのような戦前の怪談から、テケテケ、花子さん等の「学校の怪談」、カシマレイコ、犬鳴村等の都市伝説、そして八尺様、猿夢などの「ネット怪談」を五十音順に集めた超の付く大作。オカルト好きはマスト。
ちなみに、「聞くと夢に出る系の話」「20歳まで覚えていると死ぬ系の話」がいっぱい出てくるのでウソと分かっていても気味が悪ぃ!
オカルト・クロニクル 松閣オルタ
こちらも待望の書籍化!ディアトロフ峠から池袋バラバラ殺人、長岡京ワラビ採り、ヒバゴン、ファティマ聖母まで何でもゴザレの内容。この本が凄いのは筆者による「解答」をキチンと容易してるところ。旧2ちゃんねるや少し前のテキストサイト的な軽薄で不謹慎な文章ながらも超丁寧に現場検証をし、資料を洗っているので情報量がハンパない。不思議ナックルズの超強化バージョン、でも「解答」を出すことによって「さらなる不可解」が生まれるのでより一層モヤモヤするんだ!この世は不思議だらけだ!
真説・長州力1951-2018 田崎健太
面白い。朝鮮人としてのオリンピック出場、対UWFインター編なんかたまらんね。
猪木のクズっぷりと確執、前田日明や北尾のキチガイっぷり、プロレスが知らない人でも知っている「キレてないですよ」や「ナニコラタココラ」にもきっちり触れられており読みどころは沢山ありすぎ。喋るだけで、ちょっとアクションするだけで場を沸かせるプロレスラーって猪木と長州くらいですよね。一時期、総合格闘技全盛期に「プロレスラー」を自称していた格闘家と長州は全く別の人種というのが読んでて分かると思う。
仕事に対するメンタリティは実はクールなのにガワを纏ってハコに入れば大爆発するってペットボトルに入れたドライアイスみたい。
彼女のやりかた 僕だけに優しい物語 田所コウ
2冊で1冊扱いだ!
2018年になって田所コウさんの単行本がまさかの2冊も発売!日常に立ち込めるエロの危険、シコorノーシコの極限の選択肢を迫られる短編作品集です。
ウラモトユウコや衿沢世衣子の絵柄をより官能化した絵柄はデフォルメされてるのにセクシーという矛盾を孕んでいる。
スペクトラルウィザード 模造クリスタル
こんなにも面白い模造クリスタル作品が商業だと売れないとか終わりすぎだと思います!皆さん買いましょう。みんなの力で金魚王国を本にしよう。
それにしてもカオスウィザード(ピンクの子)はかわいいなぁ。
杉本一文「装」画集
イイですよねぇ。コレの影響で旧角川バージョンの文庫をボチボチ集め始めました。
手毬歌、幽霊座、仮面舞踏会を並べてるものセンスがいいなぁ。禍々しいぞ。
横溝作品だけではなく、半村良や土屋隆夫の表紙絵も収録されてます。カッコいい。