2016年の10冊
「犬神屋敷」白川まり奈
「吸血伝シリーズ」や「侵略円盤キノコンガ」で知られる白川まり奈氏の未発表作品の原稿が何かの間違いで古書ビビビの店主である徳川氏によって発掘された!そしてまさかの単行本化!なんじゃいな!
この「犬神屋敷」ですが白川先生が妖怪研究にトリコじかけの明け暮れになってる時期(ニャンシー、血どくろマザー辺りを発表していたスカムホラー期)に執筆された作品みたいです。この時期の作品はスカム、ローファイなどと評されることが多いのですが表紙をめくってみると見事に書き込まれた矢鱈と黒々しい絵面に目がやられそうです。
フツーに怪奇漫画としてのクオリティに脱帽しますが、氏の作品における絵巻物や説話から引用したウンチクが少ないのはちょっと寂しいかも
「プリンセスメゾン」池辺葵
居酒屋勤務で都内にマンションを購入し、日々物件の勉強と節制した生活を送る女性が主人高のお話。表紙のパーカーを着た幸ちゃんが主人公なんですが度々、彼女の周囲の人々あるいは知らずに通過していった人々のエピソードが挟まれる群像劇の体をなしています。
この3巻はとても良いです!優しいし、自分にとっての幸せが何なのかをしっかり掴んでるの。んで、幸せというのはお金によって拘束されているということもしっかりわかってる。「結婚なんかしなくても私は私の幸せのために毎日働いて好きなようにお金を使うんだ!」という前向きさがイイ!
「デレマス×稲川淳二 恐怖@現場」フナヤマヤスアキ(フェノメノーム)
登場アイドル:多田李衣菜、前川みく、神崎蘭子、白坂小梅、稲川淳二、佐久間まゆ
同人誌枠です。
元々はコミティアを中心に妖怪、幽霊をモチーフにした一次創作を発表していたフナヤマヤスアキさん初の二次創作本。
見て分かる通り、「恐怖の現場シリーズ」とデレマスのパロディですよ!シンデレラガールズと淳二の共演とはバカバカしすぎて誰も考えつかないですよフツー。
とにかく楽しいアイドルと淳二の絡みに「コワすぎ!シリーズ」的な幽霊との対決、ラストはトリガー作品かよ的なハッピーエンド!色々とぶっこんでるのにも関わらず綺麗に纏まっていてフナヤマ氏の漫画力の高さを感じます。
「バトル少年カズヤ」中川ホメオパシー
過剰と反復をループ&ループすることによって生成される天然アシッドだ!
よく分かんないですけどクローネンバーグ作品と不良番長シリーズ高速で逆再生してるカンジ?よく分かんないですけど。まあとにかく買って読んでほしいねホント。
「ブラックアンドブルー」根本敬
根本敬による名盤ジャケリメイク画集。
ストーンズ、ビートルズのような定番はもちろんのことエイフェックスツインやキリンジ、Nas、スマパンなど意外なセレクトも!
「ボコボコりんっ!」知るかバカうどん
はい!うどんちゃんです!amazonでやっぱり取り扱ってないですね、この有害図書!
容赦のない暴力や障碍者をテーマにしてるところから山野一を引き合いに出す人がけっこーいますが私としては「う~ん」ですね。山野氏の場合は作品と自分との間に距離を十分にとってるのに対し、うどんちゃんの場合は作中に出てくる配信JSやリスカ姫に近いメンタリティだと思うんですよ。
早見純、町野変丸、町田ひらく等、暴力やロリを描いたエロ漫画がサブカル界隈からハイセンスものとして持ち上げられることが多々ありますが、うどんちゃんの場合はかなり異質な気がします。
気になった人はコレの他に冬コミで出た「ぜんぶまとめボコボコりんっ」を読めば完璧!
室井大資が大好きなんですよ。「秋津」はもちろんですが「イヌジニン」も「ブラスッド」も全部集めました。時間とアシスタントさえいれば最高な漫画を描いてくれるんですよ!室井大資は!
ちなみに岩明均はフツーです。
「あの子と遊んじゃいけません」どろり
息切れしてきました。
絵柄的に阿部共実や宮崎夏次系を思い浮かべたんですが内容はもっと邪悪で下品だ。あんまりメンヘラ臭はしません。上で挙げたカズヤに近い?いや全然違うなー
「銃座のウルナ」伊図透
ハルタ系のヨーロッパテイス入ったファンタジーかと思いきやケッコーなハードSF入ってるがな。
「逸見エリカはガルパンの中で最も自慰行為に拘りを持つ娘だ」リスくん(リス小屋)
同人枠2。
とにかく最高なんで一人でも多くの人に読んでほしいです。
R-18みたいですがエロくないので安心して買えます。