2015年間ベストディスク
ポストパンクという便利なようで実はそうでもない言葉がございますが、パンクという特異なジャンルの音楽をさらに細分化した観点で捉えるという何とも珍妙なやり方は果たしてパンクなのかそうでもないのか...
ツチヤニボンドの前作がポストパンクを直線的なパンクとして(例えばワイアーみたいな)解釈した作品だとすると本作はリズムだとかアフロだとか前衛性を押し出した作品......では決してなくポストパンクおろか昨今のUSインディーR&Bやグラムロック、歌謡ロックまで幅広いレンジの音楽をおさえておりポストだとかパンクだとかどうにでもよくなる素晴らしい作品なのです。
ツチヤニボンドのバンドメンバーであるPADOK氏をエンジニアにむかえた1年ぶり3枚目のアルバム。
脱帽!「ダーティプロジェクターズ」の名が引き合いに出されることが恐らく本人たちのジレンマだったと思うのですがそんな名前は一気に吹き飛んでしまいそうな快作です。クレイジーなギターワークと優美なフルートの音が特に印象的です。
今までyoutubeやfacebookで発表された曲を一気にコンパイルしたとあって完全な新アルバムとは言い難いんですがやっぱりいいですねー。
新曲メインのディスク1、コミック色が若干強めな季節ソングを集めたディスク2、アコギ弾き語りで簡素な作りながらもメロディーが際立つディスク3の3枚組!少し値段は高いけど損はしないはず。
ニューオーダーの作品で最後まで通して聴ける作品って初めてかも。
若干中だるみはするんですけど序盤と終盤にシングルのキラーチューンを入れてくるんで全然OKOK。
凄く「和」の雰囲気を感じさせる作品。音数の少なさと時折聴こえる歪みは静寂に滴り落ちる雨粒のよう。
ラストの3曲が良すぎる!!泣き!!
USインディー的なドローン解釈か?決して前衛だと音響だとかの回りくどい分かりにくさはなく快晴の中初日の出を眺めるような荘厳ささえあります。
ex-昆虫キッズ、paradise
バンドマンとしてではなく宅録ギタリストとしての冷牟田王子の怪才が発揮された初ソロアルバム。コクトーツインズから元エメラルズのマーク・マグワイアまで冷やっこいノイズが大好きな人はぜひ
ワイアー流ブリティッシュトラッド。変わり続ける大人の色気っすねー
ハスカードゥ、ダイナソーJr、レモンヘッズ、スーパーチャンクが今でも大好きなナイーブな大人からスラング聴いてSEALDsに感化されてる若年層まで安心して聴けるパンクロックです