2016年の良かったジャケット
「TANPO/MACAO」チョモランマトマト
2曲入りのLP。ジャケも盤のデザインも勿論なんですけど曲も最高なんです。
00年代のラウドロックにDCパンクが融合した会心の一作!前のミニアルバムが個人的にダメで今回がガッツポーズの出来で遂にネクストステージに立った感があっただけに活動休止は残念ねー
「Disappointement Island」TTNG
かわいい。
エモ勢はアボリジニやネイティブアメリカン入ったアートワーク好きよね。
「Before a Million Universe」Big Ups
今時、Slintっぽい暗黒ハードコアパンクを演奏している若手パンクバンドのBig Upsっすね。五芒星、星条旗、サイケっぽいスモークに覆われた暗黒星もとい円盤という意味深に思えて多分あんまり考えてないでしょうね!
上の2枚もそうですがインテリアとして部屋に飾りたいですねーこういうのー
「TOSS」トクマルシューゴ
「わたしは真悟」ですね。
ツチヤニボンドとか才能のある日本のミュージシャンは楳図かずお大好きですよね。
内容も素晴らしい作品なのでそれについては後日。
「PHANTASIA」ザ・なつやすみバンド
安定の惣田紗希。
2016年の10冊
「犬神屋敷」白川まり奈
「吸血伝シリーズ」や「侵略円盤キノコンガ」で知られる白川まり奈氏の未発表作品の原稿が何かの間違いで古書ビビビの店主である徳川氏によって発掘された!そしてまさかの単行本化!なんじゃいな!
この「犬神屋敷」ですが白川先生が妖怪研究にトリコじかけの明け暮れになってる時期(ニャンシー、血どくろマザー辺りを発表していたスカムホラー期)に執筆された作品みたいです。この時期の作品はスカム、ローファイなどと評されることが多いのですが表紙をめくってみると見事に書き込まれた矢鱈と黒々しい絵面に目がやられそうです。
フツーに怪奇漫画としてのクオリティに脱帽しますが、氏の作品における絵巻物や説話から引用したウンチクが少ないのはちょっと寂しいかも
「プリンセスメゾン」池辺葵
居酒屋勤務で都内にマンションを購入し、日々物件の勉強と節制した生活を送る女性が主人高のお話。表紙のパーカーを着た幸ちゃんが主人公なんですが度々、彼女の周囲の人々あるいは知らずに通過していった人々のエピソードが挟まれる群像劇の体をなしています。
この3巻はとても良いです!優しいし、自分にとっての幸せが何なのかをしっかり掴んでるの。んで、幸せというのはお金によって拘束されているということもしっかりわかってる。「結婚なんかしなくても私は私の幸せのために毎日働いて好きなようにお金を使うんだ!」という前向きさがイイ!
「デレマス×稲川淳二 恐怖@現場」フナヤマヤスアキ(フェノメノーム)
登場アイドル:多田李衣菜、前川みく、神崎蘭子、白坂小梅、稲川淳二、佐久間まゆ
同人誌枠です。
元々はコミティアを中心に妖怪、幽霊をモチーフにした一次創作を発表していたフナヤマヤスアキさん初の二次創作本。
見て分かる通り、「恐怖の現場シリーズ」とデレマスのパロディですよ!シンデレラガールズと淳二の共演とはバカバカしすぎて誰も考えつかないですよフツー。
とにかく楽しいアイドルと淳二の絡みに「コワすぎ!シリーズ」的な幽霊との対決、ラストはトリガー作品かよ的なハッピーエンド!色々とぶっこんでるのにも関わらず綺麗に纏まっていてフナヤマ氏の漫画力の高さを感じます。
「バトル少年カズヤ」中川ホメオパシー
過剰と反復をループ&ループすることによって生成される天然アシッドだ!
よく分かんないですけどクローネンバーグ作品と不良番長シリーズ高速で逆再生してるカンジ?よく分かんないですけど。まあとにかく買って読んでほしいねホント。
「ブラックアンドブルー」根本敬
根本敬による名盤ジャケリメイク画集。
ストーンズ、ビートルズのような定番はもちろんのことエイフェックスツインやキリンジ、Nas、スマパンなど意外なセレクトも!
「ボコボコりんっ!」知るかバカうどん
はい!うどんちゃんです!amazonでやっぱり取り扱ってないですね、この有害図書!
容赦のない暴力や障碍者をテーマにしてるところから山野一を引き合いに出す人がけっこーいますが私としては「う~ん」ですね。山野氏の場合は作品と自分との間に距離を十分にとってるのに対し、うどんちゃんの場合は作中に出てくる配信JSやリスカ姫に近いメンタリティだと思うんですよ。
早見純、町野変丸、町田ひらく等、暴力やロリを描いたエロ漫画がサブカル界隈からハイセンスものとして持ち上げられることが多々ありますが、うどんちゃんの場合はかなり異質な気がします。
気になった人はコレの他に冬コミで出た「ぜんぶまとめボコボコりんっ」を読めば完璧!
室井大資が大好きなんですよ。「秋津」はもちろんですが「イヌジニン」も「ブラスッド」も全部集めました。時間とアシスタントさえいれば最高な漫画を描いてくれるんですよ!室井大資は!
ちなみに岩明均はフツーです。
「あの子と遊んじゃいけません」どろり
息切れしてきました。
絵柄的に阿部共実や宮崎夏次系を思い浮かべたんですが内容はもっと邪悪で下品だ。あんまりメンヘラ臭はしません。上で挙げたカズヤに近い?いや全然違うなー
「銃座のウルナ」伊図透
ハルタ系のヨーロッパテイス入ったファンタジーかと思いきやケッコーなハードSF入ってるがな。
「逸見エリカはガルパンの中で最も自慰行為に拘りを持つ娘だ」リスくん(リス小屋)
同人枠2。
とにかく最高なんで一人でも多くの人に読んでほしいです。
R-18みたいですがエロくないので安心して買えます。
2015年間ワーストディスク
ネオソウルって何?スケベさやホモっぽさが欠落したソウルミュージックっていかに?
前作のポップに突き抜けた感じは非常に好みだってたんですが今回は分かりやすさを抜いて彼らのスゲーダメな部分である軽薄さを3倍増しにしたカンジ。
昔のヒップホップで言うとタイニーパンクスのようなニューウェイヴな理屈臭さでもキングギドラのような超のつく原理主義でもなくスチャダラパーの能天気さに近い印象を受けます。
未だに「ブギーバック」の残滓を感じさせる「Summer Soul」はリリース当時の梅雨っぽさも相まってか湿気ったポテチと一緒に炭酸の抜けたスプライトを飲んでるような脱力感でした。
Girls In Peacetime Want To Dance
- アーティスト: Belle And Sebastian
- 出版社/メーカー: Hostess Entertainment
- 発売日: 2015/01/20
- メディア: CD
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全く時代性を無視した(EDMの影響との声もあるが)テクノポップがリードトラックでおまけに耳に残るのがその曲だけというダメダメ加減
ライブも観ましたが相変わらず音が小さいし、いっそのことエレキ使わないで弾き語りメインでやったほうがいいような...
単純に良い曲が少ないし無駄に長い。
いい加減リチャードが大昔に片手間で作ったようなコッテコテのテクノを褒めるのやめません?
国内盤を買ったら薄い紙1枚のライナーノーツが付いてるだけでした。
こういう売り方をする「輸入盤国内仕様」に引っかからないようにしなきゃ。
2015年間ベストディスク
ポストパンクという便利なようで実はそうでもない言葉がございますが、パンクという特異なジャンルの音楽をさらに細分化した観点で捉えるという何とも珍妙なやり方は果たしてパンクなのかそうでもないのか...
ツチヤニボンドの前作がポストパンクを直線的なパンクとして(例えばワイアーみたいな)解釈した作品だとすると本作はリズムだとかアフロだとか前衛性を押し出した作品......では決してなくポストパンクおろか昨今のUSインディーR&Bやグラムロック、歌謡ロックまで幅広いレンジの音楽をおさえておりポストだとかパンクだとかどうにでもよくなる素晴らしい作品なのです。
ツチヤニボンドのバンドメンバーであるPADOK氏をエンジニアにむかえた1年ぶり3枚目のアルバム。
脱帽!「ダーティプロジェクターズ」の名が引き合いに出されることが恐らく本人たちのジレンマだったと思うのですがそんな名前は一気に吹き飛んでしまいそうな快作です。クレイジーなギターワークと優美なフルートの音が特に印象的です。
今までyoutubeやfacebookで発表された曲を一気にコンパイルしたとあって完全な新アルバムとは言い難いんですがやっぱりいいですねー。
新曲メインのディスク1、コミック色が若干強めな季節ソングを集めたディスク2、アコギ弾き語りで簡素な作りながらもメロディーが際立つディスク3の3枚組!少し値段は高いけど損はしないはず。
ニューオーダーの作品で最後まで通して聴ける作品って初めてかも。
若干中だるみはするんですけど序盤と終盤にシングルのキラーチューンを入れてくるんで全然OKOK。
凄く「和」の雰囲気を感じさせる作品。音数の少なさと時折聴こえる歪みは静寂に滴り落ちる雨粒のよう。
ラストの3曲が良すぎる!!泣き!!
USインディー的なドローン解釈か?決して前衛だと音響だとかの回りくどい分かりにくさはなく快晴の中初日の出を眺めるような荘厳ささえあります。
ex-昆虫キッズ、paradise
バンドマンとしてではなく宅録ギタリストとしての冷牟田王子の怪才が発揮された初ソロアルバム。コクトーツインズから元エメラルズのマーク・マグワイアまで冷やっこいノイズが大好きな人はぜひ
ワイアー流ブリティッシュトラッド。変わり続ける大人の色気っすねー
ハスカードゥ、ダイナソーJr、レモンヘッズ、スーパーチャンクが今でも大好きなナイーブな大人からスラング聴いてSEALDsに感化されてる若年層まで安心して聴けるパンクロックです
2015ワーストカバー
「Hitnrun Phase One」Prince
前作「Art Official Age」のアフロ姿のプリンスをチビキャラ化したんでしょうが圧倒的に可愛くない!!
何となくジャケットからやる気のなさを感じてしまうわけですが本編はそんなことなく充実した内容です。重厚なソウルバラード「This Could B Us」から近年のプリンスの楽曲では間違いなく最もポップなナンバーである「FALLINLOVE2NITE」の流れなんかグッとくる。最後がバラードで〆ってのも好印象!
「Wonder Future」アジアンカンフージェネレーション
中村祐介じゃないじゃん!?別に中村ジャケットに固執する必要はないと思うんですがこれは「ナイ」ですよね....?
収録作品なんですが従来のシングル向けの楽曲は少なく、かなりロックに寄った作品で好印象なんですがtwitterでの後藤氏の不穏な一連の発言もあってかどうにも斜めに構えて見てしまう....リスナーとしていけませんね....
「KABLAMMO!」ASH
00年代の前半のミクスチャー(死語)とポップパンクの中間みたいなジャケット。
アッシュはジャケットのせいでスタートを2完歩くらい損してるがするし、それらを回収できないまま今に至っている気がする。そりゃティム・ウィーラーのソングライティング力も落ちるわなー
「Orphaned deejay Selek 2006-08」AFX
明らかに暇つぶしで作ったであろうトラックにテキトーなジャケット。
凄い人だとは分かってますがシンボル化しすぎじゃないですかねー?
「So There」Ben Folds
クラゲっぽいぜ。
ベン・フォールズが国内盤出ないのって初ですかね?洋楽不況!!
2015ベストカバー
「Sad Horse」Sad Horse
ギター&ドラムの二人組のアルバム。全曲35分!一番長い曲で2分18秒というスッカスカでバタ臭いガレージパンク!その雰囲気がよく出てる素敵なジャケットですね!
ドラムの方はタラ・ジェイン・オニールと活動してた経歴があったりシカゴ、ルイヴィル関連との関わりがかなり深いようです。大抵このエリアの方々ってパンクから音響系や前衛方面へ向かう人が多いんですが、この人たちは全く逆のようです。
「Seasonal hire」Steve Gunn & The Black Twig Pickers
馬の骨(?)から冬虫夏草。奇しく馬繋がりです。
野晒しの骨って素敵じゃないですか?鳥山石燕の「狂骨」みたいなやつ。
ちなみにこちらもシカゴ系ご用達のスリルジョッキーからのリリースです。所謂ポストロックの印象が強いレーベルですが最近はガレージパンクやドゥームメタルなど多方面からのリリースが目立ちます。
「The Republic」Sam Prekop
猫ジャケ。
シー&ケイクのフロントマンであるサム・プレコップのソロアルバム。
これまでにソロ作を何枚か発表してるわけですが基本はどれもシー&ケイクの延長上にあるソフトロックをポストロック的に解釈した歌モノでした。しかし、今回は全曲シンサイザーのみで構成されたインスト作!実験的!
シンセブリブリ感はシー&ケイクの最新作でも感じられたことなのでバンドの延長という意味ではきわめて正しいソロ作品なのかと。
「HEARTACHE」NAVEL
猫ジャケその2
10年ぶりの3rdアルバムだそうです!1stのヘソ出し幼女の瑞々しさと2ndの新緑の青葉の清々しさが一体化したカワイイジャケットですね。キリッとした猫!
「Casstte Tapes Club #8」KUNG-FU GIRL
Miles Apart Recordsっていう今時カセットテープでの音源販売を行っている優良レーベルがあるんですが、そこのジャケットが新進気鋭の洒落たイラストレーターさんばかりを起用していてとても可愛いのだ。ぶっちゃけこの記事自体このレーベルのアーティストだけで埋めてもいいのですがそれだとアレなので一番気に入ってるジャケットのやつを挙げさせていただきます。KUNG-FU GIRL!KOGA RECORDSやバンド名通りアッシュのカンフーを思い起こさせる爽快感あるパワーポップです!ジャケットは漫画雑誌ユースカでもお馴染みの新星エビマヨネーズ!
3月の新作総まとめ その2
「noise myself」冷牟田敬 9.2/10.0
元昆虫キッズ、現Paradise、豊田道倫mtvBANDの王子こと冷牟田敬のソロアルバム。
素晴らしい作品だと思います。内容はタイトルの通りでノイズと自身との対話、戯れ。バンド活動ではできない、一人のギタリスト、音楽家としての矜持が自信満々に示されています。昆虫での鈴の音を鳴らすようなアルペジオからパラダイスでの奥行きのあるディストーションまで狂気の片鱗は既に浮き出ててはいたのですがが遂に爆発した感がある。甘美なノイズなシューゲイザーというよりはエメラルズのマーク・マグワイアやマニュアル、ウルリッヒ・シュナウスなどの北欧のラップトップシューゲイザーとリンクするところもあります。
周辺のバンドが「下北沢インディー」「ココ吉系」など安易に括られやすいジャンルではあるのですが、冷牟田氏の音楽だけは超然としていてアホなカテゴライズを許さない凄味があります。
Double dream is breaking up the door.
- アーティスト: Paradise
- 出版社/メーカー: MY BEST! RECORDS
- 発売日: 2014/03/18
- メディア: CD
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「Double Dream is Breaking Up The Door」Paradise 8.3/10.0
ベースの瀬尾マリナ嬢が脱退し、今まで以上にボロッボロのコンディションに陥ったパラダイスがまさかの新作!内容もこれまたボロッボロで前作では比較的聴きとるの簡単だったボーカルがほとんどテキトーに!呼詩はともかく、他の二人までテキトーに歌ってやんの!そんな中で自身らのバンド名である「Paradise」と命名された超キラーチューンを出してくるあたり油断がならない。
んで、新作リリースしたのは良いものの、早速、ドラムの関口萌が脱退!ボロ布一枚の状態になってしまったパラダイスの今後の動向が楽しみです!
「See you,Blue」さらうんど 4.8/10.0
鴨田潤のリリックってイルリメ時代は凄く辛辣でその説教臭さが持ち味の一だったわけですが、シンセサイザーを主体としたシティポップであるさらうんどに於いてはそういう要素は不要と考えたのかイマイチ言葉に重みがない。
ちょっと出涸らしの感が強くなってきたので、表っ面だけ綺麗なポップス路線は止めてもう一度ラップをしてみては?と思いました。
「Messier Oblects」Notwist 5.0/10.0
歌なしのサントラです。ファンなら買い。
「Sauna」Mount Eerie 9.0/10.0
ドローン、ノイズの上を伝うはLAKEのアシュレイ嬢の煌びやかなボーカル。そびえ立つ山々と朝焼け、ニュー・デイ・ライジングを予感させる壮大なスケールの作品です。
近年フェスバブルに対し、「ゴミが多い」「純度が低い」と苦言を呈しているだけあり、この荘厳なサウンドスケープは納得です。
もはや、「インディーロック」が「インディー」ではなくなって久しいですが、栄誉ある孤立を選択したマウント・イアリの姿は誰よりも本来の意味でインディーロック的だ。
「Strangers to Ourselves」Modest Mouse 3.0/10.0
前作が凄く好きなんですよ。「Missed The Boat」や「Little Motel」みたいなバンジョーやマンドリンを使用したまったり目のミドルチューンが特に気にいってます。狂気のボーカルナンバーや長尺のノイズ、キレの良いポストパンク等、色々と楽しめて凄く良い作品です。
月日は流れ8年、モデストマウスが微妙になって帰ってきた。2曲目が「Float On」的な役割なのは分かりますが他の曲がなんともビミョー。ギター重ね過ぎだしチャカチャカしてやかましい、アイザックのボーカルもなんかパワーが足りない。8年も待たせておいてこれはないわなー